RubyWorld Conference 2013 まつもとゆきひろ氏基調講演
島根県松江市で開催されているRubyWorld Conference 2013に来ています。 http://www.rubyworld-conf.org/ja/
今日のトップはRubyのパパ、Matzさんの基調講演で、 エンジニアに向けてのアジテートにも見え、面白いと思ったため 以下にまとめてみました。
『Aiming the Moving Target』 20年前の開発に違和感があった。今では間違った前提があったと考えている。
- 何を作っているか把握している →ソフトウェアはとても複雑な構造物。ドキュメントでは表しきれない
- 何を作りたいのか分かっている →開発者、使用者、人それぞれで想像するものはどうしても異なる。
- 私達を取り巻く状況は変化しない →変化は速い。未来はわからない。
20年前はPC,ソフト開発は高コストだった→失敗できない 取れる戦略は
- 保守的戦略→状況が変化しない場合に有効
- ダチョウアルゴリズム(ひたすら待つ)
20年前はダチョウにしかなれなかった。失敗を避ける事しかできなかった。 今はIT、というだけではなく、すごいソフトでないと差別化できない。
良くなったのはPC、ソフト開発のコストが下がった。 良いツール、言語、OSSもあり、生産性、抽象度も高くなった。 インターネット、ソーシャルコーディング(github)で 巨人の肩に乗り実力以上のことができる。 そのため新しい戦略が取れる。
- 試行錯誤
何度も低コストで挑戦できるので、やっと動く標的(表題)を狙うことができる。成功確率を上げられる。
「コードを書かないために熱心に働く」:他人の力を頼る、他のものを知る
自己の競争力維持に必要な物以外はすべてOSSにすべきと考えている。長期的にはそれがよいと。
成功したOSSには必ず良いコミュニティがある。 OSSコミュニティはサメ、進み続けないと死ぬ。(そのためにカンファレンスしたり) →これは他のことでも一緒だよ (バンドも一緒ですね)
大局的構図を変化させることはできるのでは。 「失敗したら終わり!」→「失敗しても次だ!」にしていきたい。 「失敗」を「Nice Try!」と言い換えるところから。
前に進み続けるということを強調していました。
自己競争力の源であるビジネスロジック以外の、汎用化できるところはOSSにすることが長期的に見て良いという意見は、色々なところで聞くようになりました。 ノウハウをどれだけコスト低く共有できるかがチームの強さにつながるのかとな感じました。
明日のgithub CEO Tomさんの基調講演も楽しみです。